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ユーザーアクセシビリティを念頭に置いた製品開発:eBooksのケース

公開日 07-11-2019 カテゴリ


弊社では、あらゆるお客様が等しく弊社製品・サービスをご利用頂けるよう様々な取り組みを行っています。
アクセシビリティの確保および向上に関する取り組みのご紹介、3回目となる本稿では、弊社の電子書籍に実装されているDownload Chapter[章をダウンロード]機能に焦点をあててご紹介します。

ユーザーアクセシビリティに関してEBSCO eBooks™が実施した調査では、チャプターのダウンロードが電子書籍ユーザーの主要なユースケースであることが示されています。

弊社では、あらゆるお客様が等しく弊社製品・サービスをご利用頂けるよう様々な取り組みを行っていますが、その一つとして、WCAG 2.0ガイドラインの適合レベルAA(最高レベル)の準拠を目指すことが挙げられます。これは、ユーザーアクセシビリティを考慮に入れることが機能の企画および開発において重要だと端的に示すものです。
本記事では、弊社がユーザーアクセシビリティを考慮した新機能の開発をどのように進めたか、チャプターダウンロード機能を例に、ご紹介して参ります。

弊社が行ったユーザー調査では、チャプターのダウンロードは電子書籍ユーザーにとって主要なユースケースであることが示されました。ダウンロードのポータビリティは、研究者だけでなく、スクリーンリーダー・拡大鏡・テキスト読み上げ(text-to-speech)など様々な支援ツールを通じてコンテンツを利用している(障害を抱えた)ユーザーにとっても重要です。

Download Chapter[章のダウンロード]機能の開発に先立って、弊社ではエンドユーザーと共に、機能の様々なデザインとアプローチを検証するため様々なテストを実施しました。そしてそれによって、EBSCOのオンライン電子書籍ビューアーのTable of Contents(もくじ)エリアにダウンロードアイコンを表示させるという、視覚的なアプローチが決定しました。

アクセシビリティユーザーパネルを形成している最中だったため、行われたテストには障害のあるユーザーからの直接的なフィードバックは反映されていません。その代わり私たちは、様々な障害を持つユーザーが、一連の手順の各ステップで遭遇する可能性のある課題を検討しました。

Download Chapter 機能の概要

・Download Chapter[章をダウンロード]ボタン:
弊社が行った検証では、ユーザーは各章の横にダウンロードボタンがあるデザインを好むことが分かりました。
これはタブ制御に付加項目を追加することにするため、(操作を)キーボードに依存しているユーザーにとって潜在的な懸念事項となる部分でした。ただ、各Table of Contentsリンクの隣にダウンロードボタンが配置することは、キーボードユーザーが章をダウンロードしたい時に、ページのはるか上/下にある「Download Chapter(章をダウンロード)」ボタンまではるばる移動する必要がないことも意味します。私たちはこれを念頭に、ユーザーテストによって検証されたアプローチを継続することを決めました。

・Download Chapter ダイアログ:
ユーザーがDownload Chapter [章のダウンロード]ボタンをアクティブにすると、章全体または選択した範囲をダウンロードするかを選ぶためのダイアログが起動します。
スクリーンリーダーを利用しているユーザーがダイアログを開くと、ダイアログにフォーカスが移動したこと、およびそのダイアログが「Download Chapter(章のダウンロード)」であることが通知されます。更に、電子書籍にダウンロード可能なページ数の上限が設けられている場合、スクリーンリーダーを利用しているユーザーに対して、そのことがただちに伝わるようにしました。これは、ユーザーがダウンロードの対象を決定するための重要な情報です。

また、ロービジョン(弱視)ユーザー向けの対策として、ユーザーがZoomTextMAGicなどの拡大ツールを使用している時にダイアログが起動したことを認識できるよう検証を行いました。
ワークフローが起動すると、フォーカスがダイアログ内へ送信され、画面拡大鏡がダイアログに移動します。また、ダイアログは拡大鏡がフォーカスを移動しない十分な大きさがあるか、およびダイアログが起動したことを示すマスクがページの背景に適用されるかも併せて確認しました。

・ダウンロードフォーム:
ユーザーが何をダウンロードするか選択するDownload Chapter[章のダウンロード]内部のフォームは、一連の手順においてとても重要です。
スクリーンリーダーがオプションラベル(例:現在のページ)を正しく読み上げる為には、ボタン内のHTMLマークアップにリンクする必要があります。これがないと、スクリーンリーダーは単に「ラジオボタン」と読み上げるだけで、ユーザーには現在何が選択されているのか理解できなくなります。

またロービジョンのユーザーに対しては、ラベルがフォームの要素に隣接している必要があります。隣接していないと、拡大鏡を利用しているユーザーがフォームを拡大した時、重要なエレメントラベルを見落としてしまう可能性があるからです。

・エラーメッセージの表示:
Download Chapterのワークフローには、いくつかの「フォーム検証」領域があります。EBSCO eBookには、ダウンロードに際して、提供元が上限となるページ数を定めているケースが多々見受けられます(例:上限100ページなど)。
もし、ユーザーがこの上限を超えてダウンロードしようとすると、エラーメッセージが表示されますが、ユーザーが対処方法を理解するためにも、これらエラーメッセージがあらゆるユーザーに認識できるものであることが重要です。
スクリーンリーダーについては、ダウンロードフォームでエラーが発生した時、スクリーンリーダーがエラーメッセージを読み取れるよう対策を行いました。エラーは操作が無効であることを伝えると共に、エラーの状態を説明します。また、スクリーンリーダーは関連するオプションとともにエラーを読み上げるので、ユーザーはどのフィールドにエラーが発生しているか認知することができます。

ロービジョンのユーザーはエラーメッセージを視認できるはずですが、フォームラベルと同様、適切なフォームオプションのすぐ近くにエラーメッセージが表示されることが重要です。この点に対処することにより、インターフェイスが拡大された場合でも、どうすればエラーに対処できるか明確にすることができます。
また、色覚に障害のあるユーザーの場合、エラーがあることを伝えるにはテキストが赤く表示されるだけでは不十分なので、「×」のアイコンを一緒に表示させることで対応しました。

・その後のフォローアップ:
Download Chapter[章のダウンロード]
機能のリリース後、私たちはアクセシビリティユーザーパネルからワークフローについての貴重なフィードバックを得ることができました。このフィードバックには、ダウンロードボタンの可視性の改善、新しいスクリーンリーダーの強化、携帯端末におけるワークフローの改善が含まれており、順次対応を行いました。

今後は、機能の開発にアクセシビリティパネルの意見を取り入れていきたいと考えています。これにより、コンプライアントとアクセシビリティを念頭に置いた機能を提供できるだけでなく、実際の障害を持ったユーザーによる検証が行われた機能を提供することが可能になります。
私たちは、全てのユーザーが目的の情報を検索し、当社の製品を不自由なく利用できることもコンプライアンスと同じくらい重要だと考えています。

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