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COVID-19 症状の進行と回復

公開日 16-04-2020 カテゴリ

DynaMed 編集チームの専門家による新型コロナウィルス感染症 (COVID-19) の症状の進行と、回復の経過と治癒率に関する記事の翻訳です(元記事:Clinical Progression and Recovery of Patients with COVID-19, Vito Iacoviello, MD & Heather D. Marshall, PhD | March 19, 2020)

多くのメディアが、新型コロナウィルス感染症 (COVID-19) の感染拡大を抑える為の社会的距離 (ソーシャル・ディスタンス) の取り方や呼吸器衛生に焦点を当てて報じていますが、一旦感染してしまった後、症状の進行について議論することも重要です。この議論が、医療提供者にとっては、迅速なトリアージおよび隔離措置の開始を容易にすることに繋がり、一般の人々にとっては、病院にかかるタイミングを考える上で役立つかもしれません。

残念ながら、COVID-19の初期症状はインフルエンザを含む多くの呼吸器疾患と同じため、臨床診断を下すことは困難です。
患者は通常、発熱と咳を訴えます。痰を伴う咳よりも乾いた咳の方が一般的と言われています。その他の症状としては、倦怠感・筋肉痛・下痢・頭痛などが報告されています。症状が出てから約5日後に息切れと呼吸困難を呈し、そこで医師の診察を受ける患者もいます。息切れを起こした患者のうち約10%に、症状が急速に悪化し人工呼吸器を必要とする急性呼吸窮迫症候群(ARDS)へ進行するケースが見られます。

入院した患者には、いくつかの共通の検査所見があらわれます。例えば胸部CTにおいては、肺の両側に間質影(淡いスリガラス状の影)を伴う肺炎が認められるケースが頻繁にみられます。またリンパ球の減少も血液検査でよくみられる所見です。
COVID-19の検査を行うかどうかは、患者が居住する国・地域の疫学的状況や経過を考慮した上で、臨床的な判断に基づいて決定されます。これらの患者には、インフルエンザを含む他の呼吸器疾患の検査を行うことを強く勧めます。

COVID-19に対する決定的な抗ウイルス療法は確立していませんが、いくつかの試験が進行中です。支持療法は症状の緩和に役立つ可能性があり、重症の場合には重要な臓器機能のサポートも含まれるべきでしょう。

COVID-19の正確な死亡率は今のところ不明です。中国における初期の入院患者4万例の死亡率は約2%とされます。1,000人以上の感染者が出した(世界保健機関(WHO)の3月18日付で報告に基づく統計)国のうち、イタリアの死亡率は8%近く、ドイツは0.2%でした。
しかし感染の流行(パンデミック)が発生している間の症例数は国・地域の検査能力や報告基準に左右されるため、この間の死亡率はあくまでも推定に過ぎません。正確な死亡率を算出できるようになるのは、パンデミックが収束した後、血清検査を用いた曝露のスクリーニング評価ができるようになってからです。

ただ、このように解明されていない点が多いにも関わらず、多くの患者は生存していることを忘れてはなりません。アメリカのジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター(CSSE)のCoronavirus Dashboard によると、これまでに症状が回復した患者は計49万(4/15付)人にのぼっており、若くて健康である(重大な併存疾患がない)ことが特徴である可能性が高いとされています。
回復した21人の患者を対象にした小規模な調査では、胸部CTで見た肺病変の重症度は発症から約10日後でピークに達し、約2週間後には徐々に改善したことが分かっています。
また別のコホート研究では、退院した患者は死亡した患者と比較して、C反応性蛋白・インターロイキン-6・心筋トロポニン・ミオグロビンの値が低かったことが分かっており、炎症の少なさと心臓の損傷がないことが生存に繋がる可能性が示唆されています。

なお現在のところ回復患者が、SARS-CoV-2 に対する長期的な免疫を獲得するかどうかは明らかになっていません。COVID-19 に関する最新の情報は、引き続き DynaMed の当該トピックをチェックしてください。

また医療従事者向けに、エビデンスに基づく医療情報・世界の感染状況・その他役立つリソースをまとめた 新型コロナウィルス感染症 (COVID-19) 関連リソース を公開していますので、是非ご参照下さい。

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